国産万年筆(細字/極細字)の感覚

国産万年筆(細字/極細字)の感覚
  • プラチナは他社より太い
  • プラチナの極細でも、なお他社より太い
  • セーラーは他社と比べてカリカリ感が強い
  • パイロットはサラサラ、プラチナはシットリ
  • パイロットが一番安定した線が書ける
  • プラチナは少し線が掠れる・飛ぶ時がある
  • パイロットの極細は本当に細い線が、掠れることなく書ける (おまけにペン先が乾きにくくて、この品質を量産できる体制って凄い)
紙とパソコン
  • パソコンと比較した紙の利点は、単機能
  • 余計なことに気を取られることがない
  • 逆に、紙に書きつつスマホを近くに置いておくのは良くない
万年筆とボールペン
  • 万年筆の利点は、いちいち本体・レフィルを買い足さずとも、インクさえあれば長期利用できる点
万年筆に求める条件 (実用面)
  • 極細であること:文字に関しては、小が大を兼ねる
  • 回転吸入式であること:インクの容量は多い方が良い
  • 透明軸であること:インクの残容量が分かる
  • 掠れにくいこと:どのような角度でペンを当ててもインクが出ること
  • 軽いこと:重いとコントロールがしにくい
  • 硬いこと:ペン先が硬い方が、思う通りに線が書ける

 

頭の良さ

何が「頭の良さ/賢さ」の要素かを答えることは少し難しく感じるが、逆に「頭の悪さ/愚かさ」なら答えやすい。

頭の悪い人の特徴:論理的に話せない (主張の接続がおかしい、単語の定義を曖昧にする等)、 視野が狭い (自分の考え以外の可能性を考慮・許容できない)、勝手に前提を置く (他人の視点に欠ける、言葉を省略する)

これを裏返しつつ他の要素も加えて、頭の良さを考える。

頭の良い人の特徴:論理的、視野が広い、多くの視点に立てる、予見能力を持つ、概念を結びつけてアハ体験を生み出せる、人の心の動きを読める

頭の良い人の特徴は、ユーモアのセンスにつながる。

瞬考

  • 瞬間的に思考するには、暗記が大事
  • 四季報を写経・暗記せよ!
  • 複数のインプットに対して、①共通する構造 (メカニズム) を読み取ったり、②分類してみたり、③差分を抽出したりするのが大事
  • 単体のインプットに対して、過去・環境変化・現在/打ち手を考えるのが大事
  • 会社相手なら、企業史と業界史の両方を気にするべし
  • 手間暇惜しまず、オリジナルなインプットを作ることも大事
  • 知られていないが知っているべきことを突くのが、面白い仮説
  • スペシャリストを束ねるビジネスプロデューサーとなることが、著者おすすめのキャリア

著者がBCG出身のせいか、内容が高松智史の本に良く似ていて、例えば両者共に暗記を強く推している。

英語にしろ技術にしろ、使っている内に勝手に覚えるものであって、暗記のための暗記は苦手なので悩ましい。

 

各種メモ

成長
  • 「できてるフリ」をするのが、自分を変えるためにまずするべきこと
  • まずは場数が効いてくるので、場数を確保するためのエンジンを持つこと
  • 自分の周りに目標となる人がいることが大事
お金
  • どこかで合理的な勝負に出ないと、大きく稼ぐことはできない
  • リスクの少ない活動:①確率は低いが当たれば大きな活動、②そこそこの確率で、そこそこの大きさを狙える活動
処世術
  • 社会のルールを意識しつつ、自分のルールに従うことが大事
万年筆
  • 良い筆記具を使おうとしたとき、ボールペンだとレフィルを買い換えるのが面倒 (+海外だと手に入れにくいこともある) なので、万年筆
  • 記録や速記性は紙よりもパソコンの方が優れるが、考えるには紙の方が良い (ゼロ秒思考; パソコンと違って変に気を取られることもない)
  • 評価軸:ステータス性、デザイン、書きやすさ、書き味、速記性、太さ/細さ、インク容量、サイズ感、重さ
  • 小さい文字の方が①素早く書くことができ、②一枚の紙にある程度の情報を落とし込め、③周りから見られても内容が分かりにくいという利点があるので、(極)細字が良い
  • ペリカン=フワフワ、セーラー=程よい、パイロット=カリカリ、プラチナ=ドスコイ、パーカー=鉄板インクどばどば、ウォーターマン=程よい
  • インクと紙によって、滲み方・線幅は、本当に大きく変わる
  • 線のスキップが起きる万年筆はストレスが溜まる
  • 和製万年筆の利点:①ペン角度の許容範囲が広い、②インク掠れが少ない、③極細の線が書ける
  • 一週間くらい使わないと、書き味が安定しない
哲学
  • 人生の意味を問うのはナンセンス (無限退行)
  • 人生は結果的にこうあるものでしかない (進化的に安定な戦略)
  • 人生は多かれ少なかれ、ランダム任せの成り行きのものにならざるをえない
  • 人生における行動価値関数は、生存・繁殖に重きが置かれている
職務経歴
  • 経験職種:コンサル、技術営業、PM、NWエンジニア、プログラマ、データサイエンティスト、投資家、トレーダ
  • 経験業務:部門立上げ、海外勤務、マネージャ、NW構築、ITDD
  • 経験技術:パワポ・エクセル、機械学習、プログラミング、WAN/LAN、工場、DC
  • 強み:思考力、段取り力、タフさ、多様性への寛容さ、ユーモア

語りえぬものを語る 真理の相対主義は可能か

  • 「絶対的なものは存在しない」と絶対的な主張をしているのが、相対主義者であった
  • 確かに「美」は人それぞれで絶対的ではない一方で、「真理」は定義からして人それぞれあってはいけないように思われる
  • 加えて、「美」と「ビューティフル」についても、指している対象は微妙に異なるように思われる
  • 「概念によって絶対性は異なるのではないか」と、「翻訳前後の文章では違う意味を持ってしまっているのではないか」という問い

そもそも「完全絶対主義者」「完全相対主義者」のような、極端なことを考えているのが問題の根源に思われる。性悪説性善説にしても、人と環境に依るだろう、程度の答えが現実を上手く表現しているのではないか。

だから、「概念によって絶対性は異なる」だろうし、「翻訳前後の文章で違う意味を持って」しまうこともあるだろうし、でもそれで? と言いたくなる。

著者からすると、そんな考えは「分かってないな」となるのだろう。分かっていないのはどこか。

絶対主義者は定義からしてそんな曖昧な態度を許しはしないし、相対主義者は定義からして絶対主義者を認めることはできない(だから相対主義を貫き切れない)のだーーこれこそが問題ということになるのだろうか。

それでもやはり、じゃあ「絶対相対主義者」のような日和見的な態度を考えれば良いだけじゃないのですかね、と言いたくなる。